20代企業研究者のブログ

機械学習・経営理論から日頃の考え事まで,気になったものをまとめて発信

つらいときは,不純な動機を思い出すといい

高尚な動機と不純な動機

あなたは高尚な動機と,不純な動機,どちらの方が頑張れますか?

例えば,「世の役に立つ,立派な人になりたい!」というのが高尚な動機,「女性にモテたい!」というのが不純な動機の例としても良いでしょう.

検索すると,不純な動機の方が頑張れる,という人が結構います [1-3].

 

[1] 動機は不純な方がいい | やりたい事が見つからない君へ

[2] 動機が不純な人ほど、成功する。 - Love Yourself

[3] 不純な動機だっていいじゃん | 小峰友紀オフィシャルブログ

 

[1] のサイトなど,不純な欲求を意識した方が頑張れる理由の説明に,マズロー欲求5段階説を用いることが多いようです.

 

http://viral-community.com/wp-content/uploads/2014/06/hierarchy-of-needs-plan.jpg

 

生理的欲求・・・食べたい、寝たいとかの動物的な欲求

安全欲求・・・ちゃんとした家に住みたいとか、安心な暮らしをしたいっていう欲求

社会的欲求・・・仲間が欲しい、集団に属したいっていう欲求

尊厳欲求・・・他人から求められたい、尊敬されたいっていう欲求

自己実現欲求・・・自分の力を発揮したいとか、何かを生み出したいっていう欲求

下の段階の欲求が満たされるほど, 上の段階の欲求を持ちやすい,という理屈です.

例えば,「友達ができた(社会的欲求)から,次は尊敬されたい(尊厳欲求)と思う」みたいな話です.

下の階層の欲求(≒不純な欲求)が満たされる前に,上の階層の欲求(≒高尚な欲求)を意識しても,なかなか頑張れないから,不純な欲求を上手く利用しよう,という考えです.

 

好調なら高尚な動機,不調なら不純な動機

 さて,私は,最近,「好調なら高尚な動機,不調なら不純な動機」を意識するようにしています.

 

例えば私の学生時代は,「好調な時期」でした.研究も楽しかったし,成果が出たし,周りの友人は面白かったし,彼女はできたしで,まるで進研ゼミを始めたあとみたいな状態でした.

こういう時は,やっぱり気持ちもだんだん欲張りになってきて,「中学(公立で,いろんな人がいました)の同級生全員が安心して暮らせる社会を作るんだ」とか,「世界が驚く技術で人を幸せにするんだ」とか本気で目指していました.その方が,興味の対象や行動の幅が広がり,やる気も出ました.

当時は,不純な動機より,高尚な動機を意識した方が,頑張れたと思います.

 

一方で,社会人になると,私にとって「不調な時期」が始まりました.研究は不調で成果が上がらず,上司とは合わずで精神を病みがちになり,まるで進研ゼミを始める前みたいな状態になりました.

「こんな社会を作る」とか,「人を幸せにする」とかいう100歩手前でくじけたと言えます.

こんなときも学生時代の影響からか,私は,高尚な欲求だけしか意識していませんでした.夢を諦めるみたいで,後退するみたいで,悔しかったのもあります.

すると,理想と現実のギャップが大きすぎて,だんだん頑張れなくなりました.

 

今は,不調な時は,意識して,不純な動機に立ち戻るようにするのが正解だと思っています.「上司の小言を減らしたい」,「まずは楽に安定してお金を稼ぎたい」,「気にくわない仕事内容でも成果にして,仕事ができるキャラで女性にモテたい」とか考えた方が,よっぽど楽に目の前の事に意欲が湧きます.

決して高尚な動機を諦めたわけではありません.人生の目標はしばらくはお預けして,まずは目の前の課題を上手く解決しよう,という気持ちです.

 

何かにつまづいてモチベーションが下がっている方は,試しに不純な動機を言葉にして意識してみてはいかがでしょうか.

 

執筆時間:60分

 

人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ

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マズローの欲求階層説

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